3回目の訪問。今回は季節に合わせてジビエのコースを選択した。
二皿のアミューズに続く前菜は、オマール ブルーとリドボー(仔牛の胸腺)とセップ茸という意表を突く組み合わせ。更に銀杏とアンディーブも組み合わされている。個々の素材の存在感が強いながらも、全体としてよく纏った見事な品だ。
続く魚は平目。縁側をフリットにしているのが面白い。
ジビエはフェザン(雉子)とコルヴェール(青首鴨)を頼み、連れと分け合った。
スコットランド産の雉子は、縮緬キャベツと共に、先ずココットで蒸して柔らかくした後に、焼いている。身は柔らかく、個性がありながらも獣性は感じさせない。縮緬キャベツから出た出汁が雉子に染み込み、円やかな味わいを生み出している。家庭的な料理をレストランの技術で昇華させた、出色の逸品だ。
米だけを食べさせて育てた新潟産の鴨も、上品でありながら存在感のある味わいだ。内臓を使ったサルミ ソースが、味に深みを与えている。
蜜柑を使った口直しは、さっぱりとした味わい。
林檎とスフレのデセールは、スフレの食感がきめ細かだ。
素材によってはコース料金に追加料金が発生し、全体ではそこそこ高額になるが、それぞれの品の水準が高く、満足感の高い食事だった。シェフは、手が空いたら積極的にホールへ出て、料理を説明してくれる。
お土産としてジビエの羽を持たせてくれたのには、少し驚いた。
★★★★★