Ryuzuは六本木ミッドタウンの近くに在る。地下だが外側には空間が広がっており、圧迫感は無い。壁は光沢を放つ黒で、床は茶色の木張りで、高級感が有る。店舗の構造の故か、厨房の音が客席にかなり響く。
三種類のコースの真ん中を選び、ワインはペアリングにした。
アミューズ ブーシュ的な位置づけの品が二皿供される。水蛸は弾力が有り、トウモロコシのスープは微かな甘味が上品だ。
フェンネルのクレームと雲丹の前菜は、ネットリとした感触が有りながらも上品だ。
鱧は天婦羅のように軽く揚げて、夏野菜を添えている。
続く椎茸はシェフのスペシャルテだそうだ。椎茸を炒めただけでは味が弱くなってしまうが、豚の脂を若干付け加えて、味に厚みを出している。椎茸という一見ありふれた素材を印象的に仕上げている。
甘鯛のポワレは、舞茸を添えて味を重層的にしている。
フランス産の子羊は、素材も焼き方も上々。ピーマンや木の子が添えられており、本日は複数の木の子類が供されたことになる。
追加で頼んだフロマージュは状態がとても良い。
デセールはかなり攻めている。梅の果肉の上に飴を載せているが、梅の酸味が強烈ながらも、甘みとのバランスが良い。
料理全般の印象としては、驚きは無いが、確かな技量に裏付けられた上質なものだ。
8/10