店は六本木と乃木坂の中程に在る。白を基調とした内装は、簡素だが上品だ。
毎月内容が変わるというコースとペアリングを頼んだ。
アミューズ ブーシュは、フォアグラに奈良漬を練り込んで、上にコーヒー豆を振り掛けたもの。想像を絶する素材の組み合わせだが、意外と合う。
一つ目の前菜は、薫製にした鰹に茗荷や梨を合わせたもの。こちらは、まあまあ。
二つ目の前菜は、 豚の煮凝りを春巻きのように揚げたものを、茄子のピューレに付けて食す。フランス料理っぽくないが、中々美味しい。
魚料理は、アオリイカとアタリメ(スルメ)を冷製コンソメに浸し、冬瓜を添えた品。優しい味わいだ。
ここまでは分量が少なく感じたが、次の主菜はかなり分量が有った。主菜は二種類から選べる。僕の選んだ品は、兎の背肉の中に太刀魚を詰め込んだ意表を突くもの。太刀魚と言われなければ、肉の部位を二種類使っていると感じるだろう。大根とカボスを使ったソースは優しい味わいだ。
チーズはそのまま出すのではなく、焼き味噌を練り込んだパウンドケーキの上に乗せて調理している。
白桃のデセールは爽やかだ。
全体的に、常識に収まらない素材の組み合わせが多い。全てが腑に落ちる訳ではないが、少し驚きながらも納得する組み合わせも多い。ソースは乳製品を使わず、軽い食感だ。