Amandier(アマンディエ)は白金のフランス料理店だ。
古民家を改装した店舗は、1階が厨房と個室で2階が客室。意外と席数が多いが、客席の間隔は広く、空間にはゆとりが有る。落ち着いた感じの照明。ピアノのBGMが流れている。メニューはスマート フォンでQRコードを読み込んで表示する。
4種類のアミューズ ブーシュは、ススキが飾られた木の器に盛られており、凝った演出だ。食感が軽く、仕事の精度が高い。
この後の構成は独特だ。前菜が幾つか供された後に主菜が供され、その後、再度前菜と主菜が続く。言わば、コースが二回転して、その後デセールになる。
前菜は和食をフランス料理風に再構築したものが多い。 最初の前菜の土瓶蒸しは、海老や蕪などを和食の土瓶蒸し風にしている。出汁の代わりにコンソメ スープを用いているが、これが滋味に溢れる味わいで、印象的だった。
次は石狩鍋をフランス料理風に再構築している。 ガラスの密閉された容器の中にサーモンとイクラを盛って、燻製香を付けている。鯖で味を付けたフレークを添えるという、手の込んだ品だ。
一巡目の主菜は仔牛のカツレツ。衣の食感が軽く、コンテ チーズのソースも美味しい。
二巡目はかなりの変化球だった。先ずは良質な鰆のマリネ。適度に脂が乗っており、外側を軽く焼いているのが効果的。
次はかなり独特で、スジアラという魚を韓国料理のコムタン スープ風に仕立てている。少し辛味を付けており、理解するのがやや難しかった。
主菜の前に冷製のカッペリーニ。トマトの酸味が効いている。
二巡目の主菜は和牛テールの赤ワイン煮込み。肉はとても柔らかく、ソースも深い味わい。
締めに更なる変化球として、チマキが供される。
デセールが数種類。先ずは複数種類の葡萄を冷製で。続いて栗や林檎とクリーム。ミニャルディーズがワゴン サービスで出てきたのには驚いた。デセールは全般的に良質だが、もう少し個性が欲しい。
接客は客との間に適度に距離を取りながらも親しげで、好印象だった。
二回転する独特なコースの構成。和食や韓国料理のフランス料理風再構築。とても個性的な店だ。
8/10
Amandier アマンディエ | フレンチレストラン | 東京都