「だいこんの花」は、蔵王の温泉旅館だ。大きな温泉街から離れた位置に佇む。広大な林の中に18室の離れが有るが、離れの間は屋根付きの渡り廊下で繋がっており、雨に濡れる心配は無い。我々はグレードの低い部屋に泊まったが、それでも広さは十分だ。木の天井も高く、開放感がある。露天風呂が四つも有り、林や小川を眺めながら入浴できる。
食事は母屋で摂るが、それぞれの客室は半個室になっている。
「ふかひれのジュレで閉じ込めた名残の夏野菜と魚介」は滑らかな食感。苦瓜の苦味が効いている。
「めじ鰹節 清まし汁仕立て 冬瓜と仙台牛霜降り 針葱 木の芽」は、出汁が上品。
当店の初秋の名物だという「 暖かいカボチャのフォンデュ」は、文字通りチーズの代わりにカボチャを使ったフォンデュ。チーズだと胃にもたれることがあるが、カボチャだと優しい味わいとなる。
「太刀魚雲丹焼き 松茸のフライ 酢取り茗荷」 は、素材の組み合わせが複雑な食感を生み出している。
口直しの「蔵王 桃シャーベット」は、アッサリとした味わい。
「A5仙台牛ヒレステーキ 茸と秋野菜のソテー 甘唐辛子 柚子胡椒」は、素材も焼き方も良い。辛味のアクセントが効いている。
蔵王産のご飯と漬け物で締めくくり。
温泉旅館という性質上、料理はある程度万人受けする必要があるが、その制約の中で上手く個性を出している。
朝食も充実している。(前夜の分量が多かったので、朝食はかなり残してしまったが)
自然を残しつつ適度に整備された庭を散策するのは気持ちいい。
宿泊 ★★★★★
料理 7/10