2か月ぶり2回目の訪問。
「曙橋 かず」は曙橋の和食店だ。気軽な店ながら、かなり美味しい料理を楽しめる。
簡素で気楽な雰囲気の店内は、小料理屋という雰囲気。8人程掛けられるカウンターとテーブルが一卓有り、大将と女将の二人で店を回している。
最初の皿は、蛸、白魚、ワカサギ、数の子、アスパラガスの盛り合わせ。蛸は弾力感が有る。白魚は木の芽を和えて、少し苦味を加えている。中々良い出だし。
続く皿は、ご飯の上に蒸した穴子、その上に雲丹という組み合わせ。穴子はとても柔らかく、雲丹との食感の組み合わせに陶然とする。味を整える山葵も良質。出色の皿だ。
滋賀の酒「北島」は、飲み口はスッキリしつつも軽すぎず、中々良かった。
蟹真薯と蕪の椀も見事だった。蟹真薯は丁寧な仕事振りで、口の中でハラリと解れる。蕪は実が崩れる直前まで煮ており、滑らかな食感。出汁も素晴らしい。
鮃とヤリイカの刺身は堅実な味。
続く焼き物は「富士の介」という珍しい魚。近年開発された、虹鱒とキング サーモンの合いの子だそうだ。適度に脂が乗り、焼き方も良い。味を整える味噌も効果的。
https://www.pref.yamanashi.jp/shoku-ks/documents/fujinosuke.pdf
長野の「積善」という酒は、微発砲の変わった味だが、悪くない。
酢の物は、もずくと赤貝。酢がとても上品。生姜が味にアクセントを付けている。
主菜は仙台牛の内腿。控え目に脂の乗った上質な素材で、外側に火が通り中は赤い焼き方も、とても良い。カウンターから調理の様子が見えるが、かなり時間を掛けて、じっくり焼いていた。和食店というより、上質なイタリア料理店で出てきそうな逸品だ。
締めは百合根と木の子の炊き込みご飯。ご飯への汁の染み込み具合が絶妙で、とても美味しい。
デザートは、チョコレートのアイスクリームを最中で包んだもの。アイスクリームは滑らかで、最中の皮はサクッとして驚くほど軽い。食感の組み合わせが見事だ。
客単価の低い店なので、使える食材に限りは有ると思うが、大将の技で素晴らしい料理が楽しめる。満足度の高い店だ。
9/10