2回目の訪問。
L’EAU(ロー)は、外苑前に在るフランス料理店だ。内装は黒い石の壁と黒いベンチ シートと禁欲的な感じだが、床の木が明るい茶色で、暗い感じにはなっていない。7席の小さな店だが、客席の間隔は十分に広い。
コースの最初に少量のスープが供される。この後の素材から作ったそうで、その美味しさに期待が高まる。
アミューズ ブーシュは、自然を模した擬態の皿に、4種の品が乗っている。説明のイラストレーションが描かれた紙が添えられる。僕は余りフォアグラを食べないが、ここのフォアグラはポルトやカカオが味を円やかにしていて、楽しめた。
秋刀魚は身を解してペーストにした上でビーツに包んでいる。微かな甘みが意外に良い。
鰻は、先ず皿の蓋を取った瞬間に燻製香が立ち込める。ペーストにして多少粘り気のある菊芋との意外な組み合わせが効果的だ。
鮑とセップ茸は、セップ茸の香りが蠱惑的。ソースも美味しい。
軽い火入れのクエは虹色に光っている。ムール貝が食感に変化を与えている。
赤牛は適度に刺しが入り、噛み応えが有りつつ、硬くなりすぎていない。ソースも上質。薄く切って揚げた牛蒡が食感に変化を付けている。
デセールが2種類。薄く切ったピオーネ(黒葡萄)とライチは繊細な味。栗のブリア サヴァランは、濃厚に仕立てる店が多いが、この店はアッサリとした味にしている。
料理は工夫を凝らし手の込んだ品が多い。食感は軽く現代的だ。接客もプロフェッショナル。
8/10