軽井沢スキー旅行

2007年から2008年の年末年始は、軽井沢でスキーをした。新幹線で東京駅から軽井沢駅まで1時間強と近いので、スキーに来たという実感があまり湧かない。12月29日から1月1日まで3泊4日だが、スキーをするのは2日間だけだ。

初日の12月29日、昼前に軽井沢に着き、目抜き通りの旧軽銀座をぶらぶらする。以前訪れて気に入った『腸詰屋』というソーセージ店で昼食を摂る。ソーセージの旨さは相変わらず。一緒に頼んだアイスバイン(煮込んだ豚すね肉)は、味は悪くないが、分量が多すぎ途中で飽きてしまった。

食後は『茜屋珈琲店に寄る。焦げ茶色の木を基調とした落ち着いた雰囲気の中で、薫り高いコーヒーを楽しむ。スーパー マーケット ツルヤでティー バッグなどを買って、宿にチェックインする。

初日(29日)の夕食を摂った『無限』は、素朴な欧風料理を箸で食べさせる小さな店。

蛸のカルパッチョは、質の良い蛸の上に、挽いたトマトが乗っているが、両者の相性が意外と良い。

エスカルゴは、身に弾力が無かったのが残念。ガーリック トーストを付け合わせでなく、細かくちぎってエスカルゴの皿の中に混ぜて供する。ガーリック トーストはかなり油っこいので、別々に供した方が良いと思う。

鴨肉と大根の煮込みは、両者ともとても柔らかく、旨い。仕込みに時間を掛けていそうな感じ。締めに頼んだ焼き飯は、ちりめんじゃこや高菜が中に入っている。素朴な味で、悪くない。

以上に加えて、野菜のサラダと300mlのハウスワインを頼んで、二人で5,800円と安いが、ホテルからタクシーで片道2,000円程度かかってしまった。

★★★・・

宿は『ホテル鹿島の森』。目抜き通りから歩いて10分ほどの閑静な別荘地にある、オークラ系のホテルだ。

1万坪の敷地に建つ2階建ての建物は、素朴で竣工から年月が経っていそうな感じだが、室内は恐らく近年改装したらしく、清潔で好ましい。スタンダード タイプの部屋を選んだが、寝室、浴室ともに広さは十分。浴室に暖房が無く、寒かったのが残念。インターネット接続が無いので、ビジネス用途には向いていないだろが、スキー目当ての僕には気にならなかった。

従業員の愛想が良いのが好印象。クルマで10分程度のスキー場まで送迎してくれる。

30日と31日は1日中スキーをしたが、軽井沢のスキー場は規模が小さく、ほとんどのコースが初心者向けなので、直ぐに飽きてしまう。大変混雑していて、初日は、リフト券を購入してレンタル スキーを借りるのに1時間半程度かかってしまった。

驚くべきは、オペレーション効率の悪さ。複数日有効なリフト券が無く、レンタル スキーも1日単位でしか借りることができないので、リフト券を購入しスキーを借りるために毎朝行列を作るはめになってしまう。今時こんなスキー場は見たこと無い。

★・・・・

★★★★・

2日目(30日)の夕食を摂ったエンボカは、ベルギー ビールとピッツァが売りだ。靴を脱いで上がるのに違和感を感じるが、別荘を改築したと思しき店内は、天井も高く落ち着いた雰囲気。

ベルギー ビールは種類が多く、選ぶのに迷ってしまうほど。Orvisという銘柄を注文したが、濃厚な味わいでありながら切れが良いのが気に入った。

前菜としてハモン イベリコを頼む。凝縮されたような肉の旨みを感じる。脂も多いが、嫌みはない。

ピッツァは1枚に2種類盛ることができる。2枚注文し、1枚をマルゲリータ、もう1枚を下仁田葱とクアトロ フロマッジョの盛り合わせにした。ピッツァの生地は、もちもちした食感が良い。下仁田葱のピッツァは、焼いた下仁田葱が文字通りピッツァの上に乗っているが、あまりピッツァに向かない具だと感じた。他の具は文句なし。クアトロ フロマッジョは4種類のチーズという意味だが、ゴルゴンゾーラの味が支配的。チーズの質も良く、ゴルゴンゾーラの塩気が味のアクセントとして効いている。ピッツァは旨いが、二人で2枚はやや多すぎると感じた。

ドルチェに頼んだソフトクリームは、滑らかな喉越しが印象的。エスプレッソはやや薄いか。

二人で1万円強。

★★★★・

晦日の夕食はエルミタージュ ドゥ タムラで摂った。最近メルシャン美術館に姉妹店を出したと聞いていたので、予約の際に当日、田村シェフが店にいるか尋ねたところ、「私が田村ですが当日はおります」と言われたのにビックリ。ガラス張りの店なので冬は寒いかもしれないと危惧していたが、奥の席に案内され、足下にヒーターも置かれていたので、十分暖かかった。

12,000円/人のコースは以下のとおり。

*トラ河豚と根セロリの白子

*静岡・舞阪町産すっぽんのコンソメ、春菊のラヴィオリを浮かべて

*オマール海老と埼玉県・中さんが作ったホウレンソウのサラダ

*シャラン産鴨のパイ包み

蝦夷鮑の柔らか蒸し、3種類の大根添え

*カブの詰め物を添えた、真鯛ポワレ

*牛蒡巻きにした和牛ホホ肉の煮込み

この店の料理は、強いインパクトを与えるような類のものではない。控えめだが優しく、食べ手を幸せな気分で包んでくれる。

トラ河豚の白子のねっとりとした弾力感、すっぽんのコンソメの力強さを秘めながらも上品な味わい、緑と白の鮮やかな彩りと優しい味のカブのソースなどが印象に残る。

2002 Morey-Saint-Denis, Clos des Ormes (1/2)は、円やかで澄んだ味わいが良い。

数品から選べるデセールは、リンゴを使った品を頼んだ。くり抜いたリンゴの中に、リンゴから作られたスープが湛えられ、そこにジュレ状にしたリンゴの実が浮いている。濃厚になりすぎる寸前までリンゴのエッセンスを引き出したような素晴らしい味だ。

前回も感じたことだが、エスプレッソが秀逸。今まで飲んだ中で最高のエスプレッソの一つだ。

二人で37,000円程度。この値段でクレジット カードが使えないのは残念。

Hermitage de Tamura(エルミタージュ ドゥ タムラ)

★★★★★

フレンチ | 日本長野県北佐久郡軽井沢町長倉 | Hermitage de Tamura エルミタージュ・ドゥ・タムラ

最終日(2008年1月1日)の午前中はホテルの近所を散策した。別荘地の間を流れる雲場川という小川沿いに歩いてゆくと、30分ほどで雲場ノ池に行き着く。清らかな小川と純白の雪景色。その静謐な光景は忘れがたい。カメラを自宅に置き忘れたのが悔やまれる。★★★★★

新幹線に乗るまでの1時間ほど、軽井沢駅傍のプリンス ホテルが運営するアウトレット モールを見てみた。先ずはその規模に驚く。アルマーニから野沢菜まで、一体何店あるのだろうか?1時間では全て見切れないほど。妻に黒のワンピースを買う。