今年の夏にサンセバスチャンとビルバオに行って、スペイン料理が気に入った。東京でも現代的なスペイン料理を食してみたいと思って選んだのが、Sant Pau。本店はバルセロナの近郊に在り、ミシュランで二つ星だそうだ。唯一の支店が日本橋のこの店だ。
とても贅沢な立地だ。コレド日本橋のニ階建ての別館が一棟丸々レストランとなっている。一階が厨房でニ階が客席となっている。
店内はかなり広く、レストランが50席、バルが20席もある。これだけの席を埋めるのは大変だろう。我々は日曜日の昼に行ったのだが、客の入りは半分ほどだった。スペインでは昼食も夕食も開始時間が遅いが、この支店では日本に合わせて、早めの時間から食事が始まる。
昼は3種類のコースから選択する。我々が選んだ一番高い16,000円のコースは、前菜が数皿、魚がニ皿、肉が一皿、そしてチーズとデザートが出る。
コカ、ペコロス、ピキージョ、ナス。上品な辛味。
メレンゲ、スペイン産フォアグラ、林檎、セロリ。マカロンみたいなメレンゲはイマイチだったが、フォアグラ、フォアグラは上品で良い。
ホタテ、レンズ豆と根セロリのピュレ、ジロール茸。素材もソースも上質。
オマール海老、緑のモレソース、ズッキーニ。美しい。
カサゴ、レモングラスのカルド、カボチャ、インゲン、ココナッツ。ソースがココナッツ風味で甘酸っぱいのはイマイチ。カサゴは上質。
ホセリート社のイベリコ豚のプルーマ、ゴボウ、グリーンオリーブ。イベリコ豚は殆どレアなのに臭みが全くなく、 出色の出来。
ガローチャチーズ、ハーブ、洋梨、クランブル。印象に残るほどでも無し。
葡萄、玉露のカステラ、紫蘇のアイス、アーモンド。カステラは、普通のカステラ店で売っているものと大差ない。
10種類のプティフール。この店に限らず、どの店でもプティフールは余計だと思いつつ、出されると食べてしまう。
ワインは白2杯、赤1杯をお任せで選んでもらった。
イベリコ豚以外は驚く程の水準ではなかったし、カサゴに使われたココナッツ ソースのように理解し難い料理もあったが、全般的な満足度は高い。昼は、今回頼んだコースから前菜一皿とチーズを抜いただけで9,000円のコースもある。次回はそちらを頼むだろう。
★★★★・