銀座 大石

銀座 大石(おおいし)は、文字通り銀座に在るフランス料理店だ。店内は10人強が並ぶカウンターのみ。全ての客が同じ時刻に一斉に食べ始めるシステムだ。

体格が良く快活なシェフが、良く響く声で、全ての客に向けて食材を見せながら料理を説明する。下準備や盛り付けは他の店員が手伝うものの、調理の主要な工程の大部分をシェフが直接手掛ける。仕事の手際の良さに感心した。シェフは料理をしながらも、客達に話し掛けたり、冗談を言ったりして、場が和む。

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微かに甘みのある紅茶のような飲み物の後に供されるフィンガー フードは、複数の素材の上にキャビアを乗せた上品な味。

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カリフラワーのムースと馬糞雲丹とコンソメジュレの皿は、全ての要素が渾然として舌の上でとろける。

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スッポンのコンソメ スープは、濃厚でありながら爽やかな味わい。崩れる寸前まで柔らかく煮込んだ蕪も美味しい。

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続く皿は、パテ、野菜の煮凝り、茹でたホワイト アスパラガス、虹鱒の燻製などを並べ、さながら八寸の洋風版。どれも丁寧に調理してあり、特に虹鱒の食感が良かった。

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フォアグラ最中は、この店の定番だそうだ。苺の甘酸っぱさや生地のサクッとした感触とフォアグラの適度な濃厚さが良く合う。

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焼いた椎茸は、それだけだと味が弱くなってしまうが、ゴルゴンゾーラ ソースとの意外な組み合わせが、味に膨らみを与えている。

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金目鯛のソテーは、身はやや浅めの火入れで、皮はパリッとしており、食感が良い。

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肉料理が二皿も続く。量は少なめにしてもらったが、それでも十分だ。

鶏は、ササミは柔らかく、皮はパリッとしており、肉汁を丁寧に煮込んだソースも美味しい。

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牛肉と牛タンは、シンプルながらも秀逸な火入れ。

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ここからご飯ものが二皿続き、胃袋の限界が試される。

オマール海老のリゾットは、ご飯にオマール海老の味が染みており、身もふんだんにあしらわれた贅沢な一皿。

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頑張って続くカレーライスも何とか食べ切った。大量のコースの終盤ということもあり、カレーの味は意図的に若干淡白にしているそうだ。

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デセールも二皿。枇杷とアイスクリームのアヴァンデセール、そしてパイ生地に乗せたマンゴー。両者とも甘さが控えめなのが良い。

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フランス料理と和食を上手く組み合わせたような料理だが、各皿とも主張のある味わいだ。コースの構成は変化に富んでいる。明るいシェフの話も面白く、和やかに食事を楽しめる。

8/10