フェデラー、U.S.オープン6連覇ならず

どんな王者も永久に勝ち続けることはできない。ロジャー フェデラーがU.S.オープン6連覇を逃してしまった。決勝でフェデラーを破ったのは、アルゼンティン出身で若干20歳のジャン マルティン デル ポトロだ。

今年のロラン ギャロス準決勝でデル ポトロがフェデラーに勝つ寸前まで行った時は、近いうちにデル ポトロはグランド スラムで勝つかも知れないと思ったが、これ程早く実現するとは意外だった。198cmの長身から繰り出すデル ポトロのストロークの威力は驚くべきものだが、フェデラーの最大の敗因はサーヴの不調だろう。ファースト サーヴの確率が50%と低いだけでなく、ダブル フォールトが11個とは、フェデラーにしてはあり得ない数だ。ジョコヴィッチとの準決勝でも最初はサーヴが良くなかったが、何とか凌いでいる内に調子を上げてきた。しかし、決勝では最後までサーヴが不調だった。これだけサーヴが悪くてもフルセットまでもつれ込んだということは、他の面は悪くなかったということだ。フェデラーほどの人にも、調子が悪くてどうにもならない時があるのだろう。フェデラー ファンの僕にとっては残念な結果だが、仕方ない。実力で敵わなかったというより、たまたま調子が悪かったという感じなので、来年には期待が持てる。

ランキングの上位争いは混沌としてきた。フェデラーが頭一つ抜け出ていることは確かだが、2位から5位までの差が詰まりつつある。膝の怪我から回復したばかりのラファエル ナダルは、未だ調子が出ていないみたいだ。最近急上昇しているアンディ マレイは、U.S.オープンでも早々と姿を消すなど、グランド スラムでは脆さを見せている。ノヴァク ジョコヴィッチ然り。ナダルに3連勝中のデル ポトロがこのまま伸びていけば、来年には3位か、ひょっとしたら2位まで行くかも知れない。