ジョコヴィッチの時代が続く

信じ難い強さだ。2016年全豪オープンは、ノヴァク ジョコヴィッチがアンディ マレイをストレイト セットで破り、6回目の優勝を遂げた。全豪の男子の優勝記録としては、6回はロイ エマソンと並び史上1位タイだ。

本大会でのジョコヴィッチの勝ち上がり方は印象的だった。ジル シモンとの4回戦は、何と100本ものエラーを犯しフルセットまでもつれ込む苦戦となった。しかし、その後は立ち直り、錦織圭との準々決勝、ロジャー フェデラーとの準決勝、そしてマレイとの決勝は完璧な試合運びを見せた。

最近のジョコヴィッチのリターンはテニス史上最高ではないだろうか。ジョコヴィッチはどんなサーヴでも深くリターンしてくるので、フェデラーもマレイもサーヴが簡単にキープできず、常にプレッシャーのかかる状態でプレイせざるを得なかった。そして、ストロークの精度もいつも通りの高さだ。

去年の全豪で優勝してから、ジョコヴィッチは1年間に渡り完璧なプレイを続けている。こんなに長い間好調を保つのは極めて難しい。ジョコヴィッチ自身も2011年に三つのグランド スラム(全豪、ウィンブルドン、全米)で優勝したが、全米の後は失速し、年の残りの大会では優勝できなかった。

これでジョコヴィッチのグランド スラム優勝回数は、ビョルン ボルグやロッド レイヴァーと並び、歴代5位タイの11回となった。ラファエル ナダルの14回は射程圏内だ。フェデラー超えもあり得るだろう。

順位

選手名

GS優勝回数

1

Roger Federer

17

2

Rafael Nadal

14

2

Pete Sampras

14

4

Roy Emerson

12

5

Novak Djokovic

11

5

Björn Borg

11

5

Rod Laver

11

マレイは、全豪の決勝進出は5回目だが、またしても優勝は成らなかった。全豪の決勝では、フェデラーに1回、そしてジョコヴィッチにはこれで4回目の敗退だ。今回の決勝でも、かなり粘ったものの、どうしても勝ちきれない。

フェデラーのファンとしては、今回の完敗はかなりショックだった。去年の全米決勝でジョコヴィッチに敗れたときは僅差だったので、勝つ機会は有ると思っていたのだが、本大会ではジョコヴィッチとの差の大きさを思い知らされた...