男子テニス - 2011年

ノヴァク ジョコビッチがここまで他の選手を圧倒すると、1年前に予想した人はどれだけいるだろうか? 僕も今年の初めくらいまでは、ジョコビッチには素質は有るが、勝負どころで弱いし、四大大会は通算で2~3勝しかできないと思っていた。

 

ジョコビッチがこんなに急激に強くなったのには、恐らく複数の要因が有るだろう。一つは、年齢的にピークを迎えているということ(ジョコビッチは現在24歳)。もう一つは、彼自身の説明によると、アレルギー改善のために食事を変更し、体重も落としたこと。更に加えるなら、ラファエル ナダルの調子が若干下がり気味で、ロジャー フェデラーも全盛期を過ぎたということだろう。

 

ジョコビッチは今年の年間1位はほぼ確定だ。全米終了時点で10勝なので、怪我をしなければ、ジョン マッケンローが1984年に成し遂げた年間13勝の記録を破る可能性もある。

 

アンディ マレイは今年もブレイクできなかった。ナダルに対した全米準決勝での試合ぶりを見ていると、重要な局面での粘りがナダルより劣るように見える(もちろん本人は必死にプレイしていると思うが)。

 

来年どうなるか予想を当てる自信はないが、ジョコビッチが現在ほど圧倒的な地位を保ち続けることはないと思う。2010年のナダルの圧倒的なパフォーマンスを見た多くの人は、ナダルの黄金時代は当分続くと思っただろう。しかしナダルは去年の調子を維持することはできなかった。マッケンローも1984年の調子を1985年まで維持できなかった。一流選手でも、必ず調子の波はある。ジョコビッチも同様だと思う。

 

フェデラー ファンとしての希望的観測を述べると、フェデラーが全盛期を過ぎたことは否めないが、まだ四大大会に勝つ力はあると思う。全仏決勝(対ナダル)の立ち上がりや第3セット、全米準決勝(対ジョコビッチ)の第1、2セットのプレイを続けられれば、十分に可能性はある。インタヴューを読む限り、フェデラーのモティヴェイションが落ちていないのも心強い。

 

ナダルは若干微妙だ。ジョコビッチに6連敗し、苦手意識ができてしまっているかもしれないが、ジョコビッチの調子が若干下がった時に勝利して、苦手意識を克服する可能性は十分ある。むしろ、元々怪我の多い人なので、来年26歳という年齢を考えると、今後はますます怪我に苦しむ可能性が高いと見る。

 

アンディ マレイはどうだろうか。四大大会に中々勝てなかったが、キャリアの終盤に妙に調子がいい時期があり、その時に勝利を手にする人がたまにいる。例えばかつてのイヴァニセヴィッチだ。僕はマレイはそんなタイプの選手だと思いっている。

 

マレイより下の人達は、未だ四代大会に勝てる水準には達していない。ロビン ソダリングは、マレイと同様に、絶好調な時が来たら生涯に1回か2回四大大会に勝てるだろう。

 

以上をまとめると、2012年は、ジョコビッチナダルフェデラーの3人が、四大大会を1,2勝づつ分けあい、もちろランキング上で順位は決まるものの、2010年のナダルや今年のジョコビッチみたいに他者を圧倒する選手はいないと思う。

 

さて、2012年のランキングは以下のとおり予測する。

1位:フェデラーが奪還(四大大会2勝)

2位:ナダル(四大大会1勝)

3位:ジョコビッチ(四大大会1勝)

4位;マレイ(四大大会0勝)

 

恐らく他の人の予想と大幅に異なるだろうな。飽くまでフェデラー ファンの希望的観測込み、ということで...