ウィンブルドンはジョコヴィッチがフェデラーを下し2回目の優勝

2014年ウィンブルドン決勝は歴史に残る名勝負だ。ノヴァク ジョコヴィッチがロジャー フェデラーを6-7 (7), 6-4, 7-6 (4), 5-7, 6-4で下し、2回目の優勝を成し遂げた。

決勝までの調子はフェデラーの方が良かった。フェデラーがセットを落としたのは、スタン バブリンカとの準々決勝の1回のみで、サーヴや体の動きは全盛期並みに好調だった。一方のジョコヴィッチは、ラデク ステパニクやグリコー ディミトロフに対して1セットずつ落としたし、特にマリン シリックにはフル セットに持ち込まれるなど、苦戦しながら勝ち上がってきた。

しかしジョコヴィッチは決勝で最高の調子を発揮した。リターンとストロークがとても深く、フェデラーの攻撃を封じ込めた。ジョコヴィッチの2-1で迎えた第4セットもジョコヴィッチがブレイクで先行し、このままあっさりと優勝しそうな気配が漂う。

しかし、そこからのフェデラーの粘りが尋常でない。ジョコヴィッチにブレイクの先行を2回許したが、2回ともブレイク バックする。更には自分のサーヴィス ゲイムでジョコヴィッチのチャンピオンシップ ポイントに面したが、そこをサーヴィス エイスで切り抜け、その直後のジョコヴィッチのサーヴをブレイクし、第4セットを取る。ここに至って場内の興奮は最高潮に達した。

このままフェデラーが勢いに乗るかと思われたが、ジョコヴィッチは第5セットで集中力を取り戻し、フェデラーの最後のサーヴィスを破って優勝した。流れが何度も変わり、最後まで勝敗の行方が見えない試合だった。

ジョコヴィッチは2012年と2013年にグランド スラムの決勝に6回進んだが、その内4回負けている(ラファエルナダルとアンディ マレイに2回ずつ)。ボリス ベッカーをコーチに迎えた目的の一つが、精神面の強化だが、それが早くも効果を表した。グランド スラム7回優勝は、ベッカーやステファン エドバーグの6回を上回り、ジョン マッケンローなどと並ぶ回数だ。

フェデラー ファンとしてはフェデラーが負けたのは残念だが、この大会での活躍で今後に期待が持てた。去年は怪我のために中々調子が上がらなかったが、このところ体調がとても良い。年初に面の大きなラケットに変えたことと、コーチをステファン エドバーグに変えた効果も出てきている。クレイで勝つのは難しいかもしれないが、ハード コートなら優勝も狙えるだろう。

過去数年間は、ナダル、ジョコヴィッチ、フェデラー、マレイの4人がBig Fourと呼ばれてきたが、本大会ではBig Fourと若手との間が若干縮まった。19歳のニック キルギオスが28歳のナダルに勝ち、23歳のディミトロフが27歳のマレイに勝った。23歳のミロス ラオニッチも準決勝に進んだ(l. フェデラー)。しかし、決勝を戦った27歳のジョコヴィッチや32歳のフェデラーに比べると、これらの若手のプレイはまだ一段下だ。世代交代はいつ起きるのだろうか。