フェデラー復活

見事な復活だ。ロジャー フェデラーウィンブルドン決勝で英国のアンディ マレイを下し、史上1位タイの7回優勝を達成するとともに、ランキング1位に返り咲いた。来週には、フェデラーの1位在位期間は287週間に達し、ピート サンプラスを抜いて歴代1位となる。

過去2年間で、ラファエル ナダルだけでなくノヴァク ジョコヴィッチにも抜かされてしまった。その間、厳しいトレイニングを積みながら、1位に復帰できると信じ続けた、その強靭な精神力には驚かされる。

今大会での優勝までの道のりも険しかった。3回戦ではジュリアン ベネトーに2セット先取されながらの逆転。4回戦では第1セットで背中を痛め、治療を受けながら勝利を掴む。

勝戦も、序盤はマレイの深いリターンとストロークに打ち負けていた。劣勢に立たされながらも、僅かなチャンスを捉えて、少しずつ流れを自分に引き寄せていく。第3セットの第6ゲイムは、10回のデュースの末にマレイのサーヴィスを破るという、息が詰まるような展開だった。集中を切らさず、ネットに68回詰めてその78%で得点するという攻撃的なテニスで、勝利をものにした。

フェデラーはこの8月で31歳になる。キャリアの終盤にいることは否定出来ない。しかし、アンドレ アガシは33歳で1位に復帰した。フェデラーなら、アガシを上回る息の長い活躍を続け、前人未到の地を切り拓き続けるだろう。