2014年全豪オープンはバブリンカが初優勝

大会前にはスタン バブリンカが優勝するとは全く予想していなかった。元々バブリンカは、ストロークは強力ながらエラーも多かったが、この大会ではストロークの安定性が向上していた。僕は見なかったが、準々決勝では14連敗中のノヴァク ジョコヴィッチをフル セットで破ったのは大したものだ。

 

ラファエル ナダルとの決勝は残念な展開になってしまった。第2セットの途中でナダルが背中を痛め、その後は実力を発揮することができなくなってしまった。第1セットの展開を見ると、ナダルの怪我が無くてもバブリンカが勝った可能性は高いと思うが。不思議なもので、バブリンカの楽勝と思いきや、逆にバブリンカの集中力が落ちてしまい、第3セットはサーブの速度が落ちたナダルが奪うことになる。第4セットはバブリンカが順当に取って優勝を決めたのだが、第3セットを見た時はナダルの奇跡の大逆転もありうると感じた。

 

この大会では、錦織圭とグレゴリー ディミトロフがナダルに善戦したことが話題を集めた。特にディミトロフは第1セットを奪い、続く第2セットと第3セットもタイ ブレイクに持ち込み、スコアの上ではかなりの接戦だった。両者とも重要なポイントを取りきれず、やはりグランド スラムの優勝はまだ遠いという感じだが、ここ1-2年で上位に顔を出してくるだろう。

 

ロジャー フェデラーは準決勝ではナダルに完敗したものの、あの試合のナダルは出来が良すぎた。フェデラーは4回戦ではジョーウイルフリード ツォンガに、準々決勝ではアンディ マレイに良い内容で勝っている。去年の前半は背中の怪我でトップ10に全く勝てなかったことを考えれば、かなり試合内容が良くなってきている。今年はグランド スラムでの優勝も期待できるだろう。

 

翌週のランキングではバブリンカは自己最高の3位に上がる。最近上位の顔ぶれが固定化されてきているが、バブリンカ、ディミトロフ、錦織などの新星(と言ってもバブリンカはヴェテランだが)が台頭するのは面白い。