2019年ウィンブルドン準決勝でフェデラーがナダルに勝利

ロジャー フェデラーとラファエル ナダルの40回目の対戦は、3時間2分の激闘の末、7-6 (3), 1-6, 6-3, 6-4でフェデラーナダルに勝利した。

第1セットは両者のサーヴが良く、両者とも中々リターンができない状態でタイ ブレイクに突入した。ナダルがミニ ブレイクで先行して優位に見えたが、フェデラーが逆転する。

第2セットは、フェデラーの集中が落ちてサーヴの精度が低下し、ナダルが簡単に取った。

第3セット以降はフェデラーの集中が回復し、試合は再び緊迫した。両者ともリターンが良くなり、サーヴを簡単にキープできない。第3セットはどちらが取ってもおかしくなかったが、フェデラーが重要なポイントで僅かに優り、セットを取った。

第4セットは両者ともファースト サーヴの確率が下がり、キープに更に苦労する。フェデラーがブレイクで先行し、5-3で迎えたナダルのサーヴィス ゲイムで、フェデラーナダルを再度ブレイクして勝利する機会が何度か有ったが、ナダルが驚異的な粘りでキープする。フェデラーのserving for the matchで逆にナダルにブレイクの機会が訪れたが、フェデラーが辛くも逃げ切る。ナダルのバックハンドがアウトすると、フェデラーは雄叫びを上げた...

錦織圭との準々決勝でもそうだったが、この準決勝でもフェデラーは序盤はリターンに苦しんでいたが、試合が進むに連れて徐々にリターンが良くなっていった。また、最近のナダルとの試合に共通することだが、フェデラーはバックハンド リターンでスライスで逃げずに、フラットに叩く意識が徹底している。

この試合でもう一つ興味深かったのが、フェデラーのバックハンド ストロークの戦術だ。序盤はショート クロスで角度を付けようと試みていたが、エラーも多かった。第3セット以降は、無理に角度を付けずに、深く返すことに注力し、結果としてフェデラーが長いラリーでもナダルに打ち勝つ場面が増えてきた。この二人の対戦は、ラリーが長くなるとナダルが優位になることが多く、本日のような展開は珍しい。

この試合で両者のH2Hはナダルの24勝16敗となった。通算では引き続きナダルが大きく勝ち越しているが、2015年のバーゼル以降に限ると、フェデラーの6勝1敗だ。この1敗は今年のローラン ギャロスの準決勝で、6勝のうち1勝は今回のウィンブルドン準決勝、残りの5勝は2017年全豪オープン決勝を含むハード コートだ。フェデラーは相変わらずクレイではナダルに勝てないが、芝とハード コートではナダルに対する苦手意識は払拭されたのではないだろうか。

このウィンブルドン準決勝の勝利で、

- バックハンド リターンはスライスで逃げずにフラットに叩く

- バックハンド ストロークは角度を付けることに拘らず、深く返す

という、フェデラーナダルに対する勝ち方が明確に見えてきた。