全豪オープン決勝

No. 1はナダルだ-フェデラーはこの現実にまたもや直面せざるを得なかった。ウィンブルドンに続くフル セット マッチの末、2009年全豪オープンはラファエル ナダルがロジャー フェデラーを下して優勝した。フェデラー ファンの僕にとっては、落胆させられる結果だった。

サーブの調子が悪かったのが、フェデラーの敗因の一つだ。ファースト サーブの確率が低く、また、ダブル フォールトが5回というのはフェデラーとしてはかなり多い。しかし、それ以上に勝敗を分けたのは、勝負に掛ける執念の面でナダルフェデラーに勝っていたということだ。第3セットは途中までフェデラーが優勢で、10回近くブレイク ポイントを握ったがものにすることができず、結局ナダルにセットを奪われてしまった。これが後々まで響くこととなる。去年のウィンブルドン決勝でも似たようなセットが有った。ピンチにおけるナダルの粘り強さは驚くべきものだ。

スピーチの時に泣き出してしまったフェデラー勝つ機会が有ったのに、またもや負けてしまったのがよほど悔しかったのだろう。これでフェデラーナダルに5連敗だ。自信を失ってしまわないか心配だ。

フェデラーにとっての慰めは、バック ハンドでナダルと互角に打ち合えたことだ。去年のウィンブルドンナダルの徹底したバック攻めに苦しんだフェデラーは、このことを強く意識していたに違いない。ウィンブルドンではバックのリターンをスライスで弱く返すことが多かったが、全豪ではフラットの強いリターンが良く決まっていた。また、バックのグラウンド ストロークも、ライジングを巧く叩き、深い球でナダルを苦しめる場面が多く見られた。これだけのバックを打ち、かつサーブが本調子になれば、ナダルに勝つ可能性も出てくる、と信じたい。