2010年ウィンブルドン

ラファエル ナダルは正にキャリアの最盛期にいる。1ヶ月前のロゥラン ギャロスでも、ここウィンブルドンでも、ナダルはその凄さを余すところなく発揮した。

 

以前は速いコートを苦手としたナダルだが、現在はコートが遅くても速くても最強の選手だ。ストロゥクは強力なトップ スピンを掛けつつも、追いつくのが困難なスピードだ。ウィンブルドンでは、スライスもうまく交えて相手のタイミングを乱していた。サーヴの速度は高くないが、確率の高さ、正確なプレイスメント、強いスピンで相手の体勢を崩す。精神面の強さも特筆に値する。ブレイク ポイントを取られてからの驚異的な粘り強さに、相手は根負けしてしまう。

 

ソダリングもマレイもベルディヒナダルを止められなかった。当面ナダルの時代が続くだろう。不安があるとすれば、故障がちな膝か。また、あのような激しい打ち方を続けていたら、膝以外にも今後故障が出てくると思う。ナダルの選手寿命は余り長くないと思うが、今年と来年辺りは1位でい続けそうだ。

 

残念ながら、ロジャー フェデラーが下り坂にいることが、ロゥラン ギャロスとウィンブルドンで明らかになってしまった。現在トップ10選手のほとんどは20代前半であり、今年29歳になるフェデラーは一回り上の世代と言える。年初の全豪オゥプンで見せたように、体調が良ければまだまだグランド スラムで優勝することは可能だろうが、回数は余り多くないだろう。