ここは素晴らしいレストランだ。白金高輪駅からかなり離れた、交通の便の悪い立地だが、訪れる価値はある。
メニューはコースのみとなっており、我々は一番品数の少ない10皿の「喜び」というコースにしたのだが、分量はそれでも十分だった。
どの皿も技巧を凝らしているが、自然に美味しいのが良い。一番印象に残ったのが、「カリフラワーの三重奏」。一つの皿の中で、カリフラワーを複数の調理方法で供するのだが、複雑かつ多彩な味わいで、しかも紛うことのないカリフラワーの味がする。
スープドポワソンも驚きの味だ。文字通り魚介ベースのスープなのだが、そこになんと牛肉の内臓(ホルモン)を入れている。説明を聞いた時は???と思ったのだが、食べてみると絶妙の組み合わせだ。
ワインはソムリエにお任せでペアリングにしてもらった。手頃な値段かつ料理に上手く合ったワインを、こちらの飲むペースに合わせて上手く提供してくれたので、酒量の少ない僕にしては5杯も飲んでしまった。
コースは魚主体で、肉は最後に出てくるだけなので、魚が好きでない人には向かない店だ。でも、最後の蝦夷鹿のローストは、藁で炙って香りを付けた印象的な出来だ。
シックな内装も良い。
★★★★★