Lature(ラチュレ)は、ジビエが名物のフランス料理店だ。カウンターとテーブルが5-6席。白を基調とした明るい雰囲気の内装。客席の側に厨房が在るため、雰囲気に活気がある。
ジビエを多用したコースと控えめなコースの二種類が有り、今回は後者を選んだ。
アミューズ ブーシェのマカロンは、まるでミニャルディーズみたいな見かけだが、中身は鹿の血を凝固させたもので、外側の生地も血で着色している。濃厚だが洗練された味わいで、掴みは上々。
続くサブレで挟んだ森鳩(ピジョン ラミエ)も、少量ながら旨味が凝縮されている。
ポタージュは少し泡立てており、滑らかな喉越し。
珍しい品種(名前は失念)の魚は、野菜で包んでいるのが斬新だ。
パテアンクルーテは当店の定番だそうだ。中の素材はその時々で変わるみたいだが、この日は鹿と猪と熊と穴熊と更にフォアグラを混ぜ合わせたもの。野趣は控えめながら、肉を食べているという実感が湧く味だ。この品はワインを呼ぶ。
二つ目の白身魚は、焦げ目を付けた焼き方が良く、スープ仕立てのソースも美味しく、全部掬ってしまう。
鹿は素材もレア気味な焼き加減も見事だ。臭みは全く無い。濃い色のソースは血を使っているのではなく、ベリー系の果物を煮詰めているみたいだが、適度に濃厚で肉との相性も良い。
追加料金で頼んだ北海道産のフロマージュも中々のもの。
デセールは上品で爽やかな味わい。
実直そうなシェフは、手が空いたら頻繁に客席まで来てくれる。狩猟家でもあり、自ら仕留めた獲物を出すこともあるそうだ。
肉料理は生命が詰まった感じがし、しかしながら癖は少なく、とても楽しめた。
ジビエが名物ながら、魚料理もかなりの水準で、満足した。
9/10