2回目の訪問。
Le Cinqは、パリのFour Seasons George Vホテルのメイン ダイニングだ。高く白い天井。金色の装飾模様や鏡をあしらった内装。煌びやかなシャンデリア。大きな花瓶に生けられた花々。豪華かつ上品な素晴らしい内装だ。ホテルの中庭に面しているので、更に解放感がある。
男性客の大部分がジャケットを着用し、ネクタイの着用率は半分程度。僕はスーツにネクタイで臨んだ。
コースとアラカルトが有り、アラカルトを選択した。男性客のメニューにしか価格が表示されていないのは前時代的。
アミューズ ブーシュは少量ながら、とても美味しい。シャンパーニュが進む。
前菜として選んだラングスティーヌは、とても個性的だ。弾力感を強調することが多い素材だが、この店では弾力感より柔らかさをを重視している。添えたソースはマヨネーズを泡立てたもの。ラングスティーヌと合わせて、ふわりとした柔らかい食感を楽しませる。添えたウェファは一転してクリスピーな食感。
主菜の羊も個性的。皮をクリスピーに揚げるという余り見かけない調理法。身は柔らかい。皮と身はブラインドで食べたら鶏と思ってしまいそう。黒いソーセージのようなものが、二つ添えられている。これらは恐らく羊の内臓を素材としており、かなり野趣の溢れるものだ。同じ羊から、基本的には野趣を排した品と、敢えて野趣を全面に打ち出した品の両者を一皿に盛っている。
アヴァン デセールのキウイは、かなり酸味を強調した攻めた味わいが素晴らしい。
梨とアイスクリームのデセールは、なんとクロワッサンを添えている。食感の対比を楽しませる意図があろうが、これは理解するのが難しかった。
惰性で食べがちなミニャルディーズも見事。ありふれたキャラメルが、驚くほど美味しい。
Le Cinqの料理は、かなり個性が強く攻めているので、好き嫌いが分かれるだろう。僕も、2019年に訪れた際は全ての皿が完璧と思ったが、この日は理解できない点も有った。しかし、それでも感嘆してしまう。
接客には細かい瑕疵があり、完璧ではなかったが、リカバリしてくれたので、基本的には良いと思う。
9/10