フェルナンド ボテロの生命感

恵比寿ガーデンプレイス(YGP)で開かれているフェルナンド ボテロ(Fernando Botero)展が面白い。ボテロはコロンビア出身の芸術家で、以前は絵画を、現在は主に彫刻を手がける。絵画、彫刻とも、現実の人間や動物を大胆にデフォルメし、豊満に表現した作風で有名だ。

YGPの屋外でボテロの彫刻群を観ると、先ずはその量感に圧倒される。どの彫刻も巨大かつ豊満だ。これらが現実の人々であれば、現代社会においては「デブ」という烙印を捺され、必ずし好意的な眼では見られない。しかし、彫刻にすると、生き生きとした生命感を湛えるようになる。実物のボテロを観たのは初めてだが、ボテロが絵画から彫刻に転向した理由がわかったような気がした。この量感を表現するには、絵画よりも彫刻のほうが適切だろう。

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ボテロを観たいと思ったのには、実は個人的な偶然もある。4月前半に英国(ロンドンとコッツウォルズ)とフランス(プロバンスとパリ)を旅行したのだが、パリのビストロで偶然にもボテロを見かけたのだ。メニューを必死に解読しようと悪戦苦闘していたら、隣の席に座っていた常連が英語でメニューを解説してくれた。その後しばらく、その常連と話しをしたのだが、なんとボテロはそのビストロの常連で、その日もいつもの席に来るはずだと言う。ボテロの指定席は、その店の隅にあり、確かに壁にボテロのポスターが貼ってある。実際、30分ほどでボテロがやってきた。もっとも、ボテロの座った位置は僕からすると背中のほうなので、ボテロの顔が良く見えたわけではないのだが... とまれ、そのような偶然も会って観に行ったボテロ展だが、とても素晴らしく、堪能した。★★★★★

ちなみに、そのビストロの料理はとても良かったので、ここに店名を記しておこう。家庭的だが通いたくなる味だ。カラフェのハウスワインを頼んで、二人で€90程度だった。

La Ferronerie
18 rue de la Chaise 75007 Paris 
01-45-49-22-43
最寄りの地下鉄駅: Sevres-Babylone (ligne10.12) 7区
★★★★・