アピシウス Apicius

有楽町のApiciusで夕食を摂る。

所在地は丸の内仲通りで、ペニンシュラ東京の直ぐ近くという一等地。古き良き高級フランス料理店が、タイム カプセルに詰め込まれて現代に残っている感じの店だ。内装は落ち着いたフォーマルな感じで、壁にはユトリロシャガールなどの絵が何点も掛けられている。男性はジャケットの着用が義務付けられている。多皿料理でなく、一皿毎にしっかりとした分量を供する。我々はアラカルトで選んだ。

アミューズはポタージュ。

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初代料理長の名を冠したスペシャリテだと言う「雲丹とキャビア、カリフラワーのムース コンソメゼリー寄せ(高橋徳男氏へのオマージュ)」。カリフラワーのムース は驚くほど濃厚な味だ。コンソメは丁寧に仕事をしている。
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僕はフランス料理店でスープを頼むことはほとんど無いが、ここのスペシャリテの「小笠原産母島の青海亀のコンソメスープ シェリー酒風味」に惹かれて頼んでみた(写真を撮るのを失念)。これは希少な食材で、アピシウス以外では味わえないそうだ。こちらも驚くほど濃厚。飲み終わってからしばらく時間が経っても、味わいが舌に残っている。

主菜は「フランス産仔鳩のロティ、べカスのスタイルで」。一羽丸ごとという仔鳩にトリュフが振りかけられている。肉質は当然良い。調理して直ぐに供したのだろうが、なぜか温度が若干低い感じがする。

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全豪オープンでロジャー フェデラーが久し振りに優勝したので、ワインは奮発し、1986年のシャトー マルゴーを頼んだ。(二人分の料理よりワインの方が高かった...) 力強く、タンニンをかなり感じる。とても良いワインだと思うが、僕の好みからすると、ややフルボディ過ぎる。★★★★・

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デセールはワゴンからいくつか選んだ。

料理は全般的に、軽さを求める現代の風潮に逆らい、濃厚な味付けだ。これはこれで良いと思うが、僕にとっては若干重い感じがする。サーヴィスはさすがに洗練されている。
★★★★・

Restaurant Apicius