ロオジェ L'Osier

ロオジェに初めて行った。

 

前菜は、二皿を妻と自分で分け合った。

 

『フランス産グルヌイユ(蛙)のポワレ オレンジ風味 パン ド エピスのジュ』は、淡白で上品な味わい。グルヌイユ自体もいいが、付け合せの、野菜やキノコのラグーの上品な食感がより印象的だった。

 

「他では考えられないほどトリュフが入っています」という給仕の言葉に釣られて頼んだ黒トリュフのラヴィオリは、ラヴィオリの中にペーストしたトリュフが、上には切ったトリュフがたっぷり載っている。今までトリュフが美味しいと思ったことは無く、今回こそ楽しめるかもと思って注文した。ラヴィオリの食感は平凡。基本的にトリュフの香りを楽しむ皿なのだろうが、季節が終わりに近いせいかも知れないが、香りはそんなにいいとは思わなかった。僕は松茸も今まで美味しいと思ったことは無い。僕とトリュフの相性も悪いのだろうか。

 

主菜の『フランス産小鳩のロティと腿肉のポワレ エピスの香り』は見事。ロティした胸(?)の肉は、極めて柔らかくかつ微妙な表面張力があり、一瞬フォアグラを思わせるような上品かつ不思議な食感。焼き方は完璧で、外側は良く焼けて、中はロゼ色。小さな腿肉は良く火を通しており、微かな野趣を感じさせる味わい。小鳩の肉にフォアグラが添えられており、またソースもフォアグラから作られているが、フォアグラの質も極めて良い。鳩と言えば、去年の春にフランスはエズのLe Château de la Chèvre d'Orで食べた鳩が、後々まで強い印象を残す素晴らしいものだった。ロオジェの鳩は、Château de la Chèvre d'Orのには若干及ばないが、それでもかなりの水準だ。

 

フロマージュは、種類が多く、質も極めて良い。

 

デセールはシャリオから好きなものが頼めるが、それとは別に頼んだ牛乳のアイスクリームがとても印象的。どちらかと言うと淡白な味わいなのだが、素材の牛乳そのものの質が極めて高いことを感じさせる。

 

料理全般を通して、後々まで強い印象を残すような驚きは無いが、正統的で水準が高いと感じる。

 

ワインは久しぶりに張り込んで、98年ラフィット ロートシルト(デミ)を頼んだ。デキャンタしてから香りが開くまでかなり時間がかかったが、最終的にはとても良い香りとなった。味も中々良い。でも、プライス パフォーマンスはそんなに高くないかもしれない。もっと安くて同じ位美味しいワインは恐らくあると思う。

 

席数に対する給仕の数は十分。給仕は付かず離れず完璧なサービスを提供する。

 

リモージュの食器は、現代的なシックなデザイン。内装も、過度な装飾を排した、現代的でシックなもの。壁の色は白で、壁の下側は濃い茶色の木。壁に掛けられている絵は、現代的な抽象画。入り口のある1階とテーブルのある2階を結ぶリフトが印象的。

 

絶対的な水準は★★★★★だが、プライス パフォーマンスは★★★★・といったところか。