是枝裕和『海街 diary』(2015) 本作は4姉妹の日常を淡々と描く。と言ってもドラマ性が無い訳ではない。 姉妹の両親は、父親が愛人を作ったことを切っ掛けに離婚し、母親も後日別の愛人を作って家を出た。長女の幸(綾瀬あるか)は看護師だが、勤務先の病院の医…

Sam Mendes, Spectre (2015) クールなボンドと美女、アクション シーン。ボンド映画に必要な要素を本作は備えている。カー チェイスは、ややありきたりな感じがするが、冒頭のヘリコプターの場面には息をのむ。ダニエル クレイグがカッコいいのは相変わらず…

Frank Darabont, The Shawshank Redemption (1994) 人生に絶望した時に、この映画を観れば、前向きな気持ちになれるかもしれない。 銀行幹部のアンディ(Tim Robbins)は、妻とその浮気相手を殺害したという無実の罪で投獄されてしまう。刑務所で仲良くなった…

Florian Henckel von Donnersmarck, The Tourist (2010) 曰くありげな謎の美女エリザ(Angelina Jolie)は、列車で知り合った旅行者の男性フランク(Johnny Depp)を旅の友に誘う。エリザは単にフランクを何かの目的に利用しているみたいだが、フランクは本気に…

John Carney, Begin Again (2013) かつては一世を風靡したものの、現在は落ちぶれて、自分が創設したレーベルからも首になってしまった音楽プロデューサーのダン。飲んだくれの生活を続けていたダンが、バーで演奏していたグレタの才能を見初め、グレタのデ…

Bryan Singer, The Usual Suspect (1995) 過去から現在へかけての複数の犯罪が、尋問されているある容疑者の視点から語られる。この容疑者ヴァーバル(Kevin Spacey)は、脚に障害のある詐欺師で、たまたま知り合ったほかの犯罪者とともに、一連の事件に補助的…

細田守 『時をかける少女』(2006) 実写版もあるが本作はアニメ。 女子高校生マコトは、ふとした出来事から、時間を自由に行き来するタイム リープの能力を身に着けた。マコトは、タイム リープを使い、周りの出来事を自分の思うとおりに変えていく。しかし、…

僕は2013年頃から音楽の定額制サーヴィスを使用しているが、今年6月からはApple Musicを使用している。元々音楽に月に1,000円以上費やしていたので、定額制に切り替えるのは必然だった。 最初に使ったのはSony Music Unlimitedで、これには満足していたのだ…

Damien Chazelle, Whiplash (2014) 名門音楽学校でジャズを教えているフレッチャー(J.K. Simmons)は、今時珍しい鬼教師だ。ドラマーを夢見て入学したアンドリュー(Miles Teller)は、そんなフレッチャーに心を折られる。演奏の出来が悪ければ、何度もやり直し…

Rodrigo Cortés, Buried (2010) 卓抜な着想の映画だ。 ポール コンロイ(Ryan Reynolds)は、アメリカの民間業者に雇われ、イラクでトラックの運転手をしている。ある日ゲリラに襲撃され、気が付いたら土中に埋められた棺桶の中に密閉されていた。携帯電話を使…

Quentin Tarantino, Django Unchained (2012) 不思議な感じの映画だ。 南北戦争直前のアメリカ南部。奴隷のジャンゴ(Jamie Foxx)は、ドイツ人歯科医師のシュルツ(Christoph Waltz)によって解放される。シュルツは指名手配中の悪人を殺して賞金を稼いでおり、…

三池崇史『着信アリ』(2004) 女子大生の中村由美の周りで、奇怪な変死事件が相次ぐ。自分の携帯電話に、未来の時刻で着信があると、その時刻に死んでしまうのだ。由美は山下という男と共に原因を探求し、 自分の娘を虐待する水沼ユリエという女性が事件に関…

Steven Quale, Into the Storm (2014) 舞台はアメリカの地方。竜巻の撮影隊が、史上有数の竜巻を追う。 しかし竜巻の威力は想像を絶し、学校や町も大きな被害を受け、撮影隊の一人も死んでしまう... CGを駆使したであろう映像には迫力がある。しかし作品全体…

Ben Stiller, The Secret Life of Walter Mitty (2013) 雑誌Lifeで写真を管理しているウォルター。彼は頻繁に妄想をする癖がある。Lifeが他社に買収されて、紙媒体を止め、オンラインに特化することになる。紙の最終号の表紙に、写真家ショーンの撮影した写…

武内英樹 『テルマエ・ロマエ』(2012年) これは荒唐無稽な映画だ。 古代ローマで愛された公衆浴場テルマエの設計技師ルシウス(阿部寛)は、中々斬新なアイディアが浮かばず、スランプに悩んでいる。ふとしたはずみで現代日本にタイム スリップしたルシウスは…

Steven Soderbergh, Side Effects (2013) 実に巧いミステリーだ。 インサイダー取引で服役していたマーティン(Channing Tatum)と妻のエミリー(Rooney Mara)は、再び一緒の生活を送るようになる。喜びもつかの間、マーティンの服役で心が傷ついたエミリーは、…

古澤健, 『ルームメイト』(2013) 怖い映画だ。 派遣社員の萩尾春海(北川景子)は、交通事故で入院中に看護師の西村麗子(深田恭子)と親しくなり、退院後に二人は同居を始める。二人の仲は良く、当初は楽しい生活を送っていたが、やがて麗子が異常な行動を見せ…

イ・ヨンジュ, 『건축학개론』 (2012) 純愛というものを久しく経験していない僕が、本作を見て切ない気持ちになってしまった。 建築事務所の下っ端の男性スンミンのところに、裕福そうな女性のソヨンが家の設計を頼みに来る。二人は大学の同級生で、久し振り…

Peter Berg, Lone Survivor (2013) 彼らは重い決断を迫られた。僕だったら、どういう選択をしただろうか... 本作は実話に基づいている。米国軍がタリバンの幹部の殺害作戦を遂行する。先ずは4人組の偵察隊が幹部の居場所を特定し、その後応援部隊を投入する…

Jonathan Teplitzky, The Railway Man (2013) 鉄道と古本が好きな中年の英国人男性エリック ローマクス(年配になってからをコリン ファース、若い時をジェレミー アーヴィンが演じている)。彼は鉄道で偶然に乗り合わせた女性パティ(二コール キッドマン)と恋…

Doug Liman, Edge of Tomorrow (2014) 未来の地球。襲撃してきた異星人を撃退すべく、多国籍軍が戦闘を展開している。広報担当のウィリアム ケイジ少佐(トム クルーズ)は、戦闘の経験が無いにも関わらず、前線に送られてしまう。ケイジは戦闘開始直後に戦死…

Joshua Oppenheimer, The Act of Killing (2012) 本作は、1965年にインドネシアで起きた、共産党に対する弾圧を描いたドキュメンタリーだ。 左派のスカルノ大統領が失脚し、右派で軍部出身のスハルトが大統領になってから、インドネシアでは大勢の共産党員が…

Brian De Palma, Carrie (1976) 主人公のキャリーは高校生の女子。内向的な性格のため、周りの女子から苛められている。キャリーは発達が遅く、高校3年生で初潮を迎えた時、またも周りの女子からからかわれてしまう。特に態度の悪かったスーは、罰として、卒…

Chris Buck, Jennifer Lee, Frozen (2013) 僕はアニメーションを余り見ないが、この作品は楽しめた。CG技術の進歩は素晴らしい。実写とは異なる映像美が有る。実写はカメラに収まる情景を全て写すが、アニメーションは必要と思われる要素のみ、あるいはそれ…

利重 剛「さよならドビュッシー」(2013) 遥とルシア。仲のいい従姉妹の二人は、ピアニストを目指していた。資産家の祖父の家で火事が起き、ルシアは死んで、遥も重傷を負う。苦しいリハビリを行いながらも、遥はピアニストの岬に師事して、コンクールを目指…

Alfonso Cuarón, Gravity (2013) テレビで宇宙船の様子が写されると、宇宙飛行士達は無重力状態でふわふわと浮いていて楽しそうに見える。その浮いている状態の描写を突き詰めたのが本作だ。 医学博士のライアン ストーン(サンドラ ブロック)は、ヴェテラン…

山崎貴 「永遠の0」(2013) 司法浪人中の健太郎(三浦春馬)と出版社に勤める姉の慶子(吹石一恵)は、祖母の死をきっかけに、亡くなった祖父が実の祖父でないことを知る。実の祖父である宮部久蔵(岡田准一)は第二次世界大戦の際に特攻で死に、終戦後に祖母(井上…

Ben Affleck, Argo (2012) 本作は題材が面白いだけでなく、演出も巧い。結末が判っていても最初から最後まで緊張が続く。 1979年にイランで米国大使館の占拠事件が起きた時、大使館の職員のうち6人がカナダ大使の私邸に逃げ込んだ。この6人を救うためにCIAが…

三池崇史 「藁の楯」 (2013) 警官は人命を守るのが使命だ。しかし護衛の対象が人間の屑だったら、自分の命をも危険に晒して職務を全うすべきだろうか。 二人の少女を強姦殺害した清丸国秀(藤原竜也)。少女のうち一人の祖父で富豪の蜷川(山崎努)が清丸の殺害…

吉田大八 「桐島、部活やめるってよ」(2012) 僕が高校生だったのは遥か昔であり、今の高校生のことは良く判らない。でも、本作にはリアリティがあるような気がする。 バレー部の主将の桐島が理由も告げずにいきなり部活を辞める。本作には桐島自身は登場しな…