2008-01-01から1年間の記事一覧

京都と中国地方

今年の夏は1週間ほど掛けて中国地方を廻ってきた。クルマを利用したが、東京から一気に中国地方まで行くのは大変なので、行きと帰りに京都で1泊ずつすることにした。 美山荘(みやまそう) http://miyamasou.jp/html/index.html 美山荘は『摘み草料理』で有名…

浮き雲

Aki Kaurismäki, Kauas pilvet karkaavat (1996) 路面電車の運転手の夫と、レストランの給仕の妻。慎ましく暮らしている二人がほぼ同時に失業してしまう。酒浸りになる夫と、堅実に職探しをする妻の両方とも、中々仕事が見つからず、生活が困窮していく… 陰…

竹葉亭

竹葉亭は鰻の老舗。銀座8丁目の本店に土用の丑の日の直後に訪れた。 僕は鰻は特に好きでも嫌いでもない。頻繁に食べると飽きるが、年に数回なら食べてもいいといったところか。 鰻の蒲焼きを誉める際に、その柔らかさに言及することが多いようだが、僕にとっ…

リストランテ濱崎

恐ろしく予約が取りづらい店だ。予約の受付は1ヶ月前の午前11時からだが、その時間になると電話が繋がらなくなり、ようやく繋がった時には既に予約が一杯となっている。今まで予約を試みて果たせなかったことが5-6回有っただろうか。今回も予約が取れなかっ…

今宵フィッツジェラルド劇場で

Robert Altman, A Prairie Home Companion (2006) 30年以上も続いているラジオの音楽番組が打ち切りとなる。劇場に公開録音を聴きに来た観客に、司会はこれが最終回だと言い出せない。いつものように続く演奏と楽屋裏でのやりとりが描かれる… 出演者達の楽屋…

ウィンブルドン王者交代

ウィンブルドンの王者は、劇的な試合で交代した。テニスの質の高さと緊迫した展開で、この決勝戦は後世に語り継がれることだろう。 ロラン ギャロスを含めこの所の充実振りからナダル優勢と評する声が多かったと思う。立ち上がりは正にその通りとなり、ナダ…

天冨良よこ田

(2022年4月追記: 「天よこた」に訪れ、情報の確認が取れた。2020年末に「天冨良よこ田」の創業者が引退した際に、「天冨良よこ田」の経営権はチェーン店に売却され、そちらに横田家は関わっていない。「天冨良よこ田」の味を継いだのは、二代目が開いた「天…

シックス センス

M. Night Shyamalan, The Sixth Sense (1999) 精神分析医のマルコム クロウ(ブルース ウィリス)は、情緒不安定なコウルという男の子を助けようとする。初めのうちは心を閉ざしていたコウルも、やがて打ち解け、マルコムに秘密を打ち明ける。コウルには死んだ…

プライベート ライアン

Steven Spielberg, Saving Private Ryan (1998) この映画を観る者は、戦闘場面の迫真の描写に圧倒されると共に、戦争の理不尽さに想いを巡らすことになる。3時間近い長尺の作品だが、その長さを感じさせない。 第2次世界大戦における連合国のノルマンディー…

うち山

銀座昭和通り近くの地下の和食店。カウンターと個室があるが、カウンターで料理を頂いた。 名物だという突き出しの豆腐が面白い。葛を混ぜて、軟らかい餅みたいな食感に仕上げている。刺身、焼き鱧、蒸し鮑、焼き鮎などは、強いインパクトはないが、繊細であ…

ナダル圧勝

これほどまでの差が付くとは... 全仏オープン男子決勝はナダルの圧勝だった。今年前半フェデラーは調子が悪く、反対にナダルは今大会で絶好調だったので、ナダルが優位とは予想していたが、決勝での余りの差に言葉を失ってしまった。 フェデラーは打つ手なし…

氷の微笑み

Paul Verhoeven, Basic Instinct (1992) 過激な性行描写に眉をひそめる人もいると思うが、それを楽しめる人にとっては極上のエロティック スリラーだ。 美貌と怜悧な頭脳を持つスリラー作家キャサリン タメル(シャロン ストーン)と、サンフランシスコ市警の…

豊源

夕食は鷹番の鮨屋豊源で。昼には時々来ていたが、夜は久し振り。 この店にしては珍しく、突き出しが蛸などの刺身だった。旨かったが、刺身より鮨として握る方が僕の好みだ。 酢飯は以前に比べて若干堅めの気もするが、悪くない。赤ムツ以外に余り珍しいネタ…

ドラッグストア カウボーイ

Gus Van Sant, Drugstore Cowboy (1989) 麻薬を手に入れるために、薬局や病院での強盗を繰り返すボブ(マット ディロン)と仲間達。仲間の一人がタブーを犯したせいでツキが悪くなり、ボブは病院強盗に失敗して怪我を負ってしまう… 前半はそこそこ面白かったが…

時計修理

半月ほど前に、気に入っていたダンヒルの腕時計を床に落としたら、動かなくなってしまった。ダンヒルの直営店に修理を頼むことも考えたが、どうせ修理は外注するのだろうし、ムーブメントを丸ごと取り替えて新品を買うのと同じくらいの金額を払うことになっ…

ザ プレイヤー

Robert Altman, The Player (1992) 類型的なハリウッド映画と、それらを生み出す映画会社のお偉いさん達を皮肉った映画だ。 権力闘争、上辺だけの社交、脚本家との確執といった内輪ネタが多いが、それらだけでは、単なる自己言及的な詰まらない作品となって…

モディリアーニ展

六本木の国立新美術館でモディリアーニ展を観た。 モディリアーニといえば、瞳を描かない虚ろな表情の肖像画が有名だが、それらだけでなく初期の作品も数多く展示されている。アフリカの『プリミティヴ』アートの影響を受け、卵を細長くしたような単純な立体…

六本木ヒルズ

開業5周年を記念して六本木ヒルズで開かれている大道芸を見に行った。 大道芸とはちょっと異なるが、一番面白かったのは『グッティー』という唇のオブジェ。僕が前に立ったら「ピンクの服のお兄さん」と呼びかけてきたのには驚いた。人間が遠隔監視している…

不都合な真実

Davis Guggenheim, An Inconvenient Truth (2006) 元米国副大統領アル ゴアが地球温暖化の問題に取り組む様を描いた作品。 ゴアの講演をそのまま映した部分が多いが、この講演に圧倒的な説得力が有る。膨大なデータを解りやすく視覚化するとともに、氷が少な…

パフューム ある人殺しの物語

Tom Tykwer, Perfume: The Story of a Murderer (2006) 18世紀のフランス。調香師として頭角を現した天才的な嗅覚を持つ青年が、やがて女性の香りにとりつかれ、猟奇的な殺人を重ねてゆく… 原作の小説は世界で1500万部も売れたそうだ。原作を読んでいないの…

夢吟坊 渋谷マークシティ

午後から映画を観る前に三宿のうどん屋、夢吟坊の渋谷支店を数年ぶりに訪れた。本店の時と同じように鰊うどんを頼む。 前回も感じたことだが、本店に比べると若干味が劣るような気がする。うどんの茹で方は、悪くはないが特に良くもない。出汁も、具体的に指…

かつて、ノルマンディーで

Nicolas Philibert, Retour en Normandie (2007) 監督のニコラ フィリベールが、かつて助監督として関わった映画の出演者をノルマンディーに訪ねるドキュメンタリー。出演者の大部分は素人の農民で、映画への出演はこの一回切りだ。 出演者達がその後の人生…

房総半島のドライブ

良く晴れた日曜日、房総半島に久し振りにドライブに出かけた。 東京湾アクアラインを通り、『海ほたる』で休憩。東京湾の広大な景色に気持ちが和む。巨費を掛けたという東京湾アクアラインの建設に経済合理性が有るか否かわからないし、片道3,000円は高いと…

レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ

青山の一等地に構える店は、ガラスを多用した現代的な外観。内装は焦げ茶の木と白い漆喰を基調とし、磨りガラスを配した、これまた禁欲的で現代的な感じ。内外装を見ただけでは「デザイナー レストラン」という感じもするが、料理は実に真っ当だ。 アラカル…

2001年宇宙の旅

Stanley Kubrick, 2001: A Space Odyssey (1968) 本作を観るのは2回目だが、好きなのだか嫌いなのだか自分でもわからない。 難解なことで有名な作品であり、特に最後の場面の「意味」は理解しがたいが、映像と音楽は素晴らしいものだ。本作が公開されたのは…

ラスト エンペラー

Bernardo Bertolucci, The Last Emperor (1987) 歴史の荒波に翻弄され、清朝の皇帝から戦犯にまで転落してしまった一人の男性。その哀しみと無力感を描いた風格のある作品だ。 わずか3歳で即位した愛新覚羅溥儀は、その4年後には辛亥革命を受けて退位せざる…

シュエット

以前の会社の同僚2名と都立大学駅近くのシュエットで会食。 5,500円のコースB(前菜2皿、主菜1皿とデセール)を注文した。全ての皿がメニューから選べる。 ○柔らかく煮た、洋ネギとつぶ貝のクルディテ、ジンとライムの香り ○桜のチップで燻製した、アンコウと…

フォレスト ガンプ

Robert Zemeckis, Forrest Gump (1994) 愚直に生きることが結局は幸せにつながる、ということを説いている作品。 知恵遅れのフォレスト ガンプ(トム ハンクス)は、周りから馬鹿にされてばかりいる。子供の頃の理解者は、母親と同級生のジェニーのみ。そんな…

ポリス再結成公演

伝説は本当に甦るのか?無様な姿を曝しはしないか?杞憂だった。The Policeの再結成公演は、全盛期にも匹敵する見事なものだった。 ポリスは最も好きなバンドだったし、スティングのソロも数作目までは愛聴していたが、やがて興味を失ってしまった。スティン…

ラスト、コーション

Ang Lee, Lust, Caution (2007) 舞台は日本占領下の中国。日本の傀儡政権の高官(トニー レオン)を狙うべく、愛国者側が送り込んだ女スパイ(タン ウェイ)は、高官の愛人となることに成功する。暗殺を警戒する高官は常に護衛を付けているが、女スパイに気を許…